鍋焼きうどんの夜

恋人が風邪をひいたというので鍋焼きうどんを買って行った。ひとが鍋焼きうどんをフーフーしながら食べる様子は、食欲と束の間の幸せなひとときをもたらす。
その次の日、深夜、合唱の練習後にくたくたになって家に帰ると、晩御飯は鍋焼きうどんであった。ぐつぐつと良い匂い。くたくたの私はくたくたのうどんをすする。体に悪そうな、甘辛いスープが全身にしみわたる。
冬の夜に食べたくなるもの。