詩について

小学6年生くらい、ちょうど思春期初期から、歌詞のようなものを書き始めた。作曲もできないのに作詞しているわけだから、いわゆる中二病であろう。内容は、誰にも見せられないような恥ずかしいものである。

詩は、こつこつと飽きずに今まで書いている。大学生になってから改めて詩集などを読むようになった。
三木露風の詩に感動したのがきっかけだ。三木露風と言えば私にとっては「赤とんぼ」の人だったが、偶々みつけた「接吻の後に」という詩に感動したのだ。


接吻の後に  三木露風

「眠りたまふや」。
「否」といふ。

皐月、
花さく、
日なかごろ。

湖(ウミ)べの草に、
日の下に、
「眼閉じ死なむ」と
君こたふ。


「眠っているの?」
「いいえ」とあなたは言う。
5月、花咲く、昼のこと。
湖岸の草、陽光の下、
「このまま目を閉じて死んでしまいたい」とあなたが答える。


なんてロマンティックなんだ露風!
と、興奮した。この、少女漫画風描写。少女の頬の赤み。微笑み。純情。やわらかさ。乙女心を鷲掴みである。
そして、私もこんな風な何かが書けたら、と思った。

しかし私の詩は年を経るにつれてどんどんロマンとはかけ離れていく気がする。思い付くものといったら、UFOやら鯨やら桃太郎やら…、なんやらである。