残像

惑星を両腕に抱えて
走る彼
彼はその靴がお気に入りのようね
ある日彼は
あたしの目の前を横切って行った


雨に歪んだ窓ガラス


今にも飛んでゆくように
輝く彼
花柄のシャツとキルトのかばんで
今日も彼は
あたしの前を一瞬で去って行った


それでも
あたしの中にはいつまでも
彼の姿が残っていたから