今週のお題「この色が好き」好きな色は昔から

そう、ピンクに決まっている。絶対ピンク！
幼児の頃は、祖母が所謂「ピンクのフリフリ」の洋服を惜しむことなく与えてくれた。私はその頃世界を知らな過ぎたのか、頭がおかしかったのか、自分がこの世で一番可愛いと信じており、自信満々でピンクフリルを見に纏い、ポーズまでしっかりキメていた。両親も祖父母も私を本気で可愛いと思い、写真を撮りまくっていた。今見ると、幼児期の私は子豚のような顔をしている。子豚がピンクを着て喜んでいる、その顔は益々子豚らしさに磨きがかかっていた。
成長期で縦に伸び、豚っぽさが消えてもまだピンクが好きだった。周りの女子は徐々にクールぶり、自分の事を「ボク」と呼びだす人も増えてくる。女子はブリっ子色の強いピンクではなく水色や黒の持ち物を持ち始める。私はすっかり優等生になり、キメポーズなんて恥ずかしくて出来ない内気の塊になったが、それでも恥ずかしくない程度にピンクを好んでいた。心無い友人に「パステルカラー似合わないよね（笑）」などと言われてもピンクへの想いは変わらぬのだ。
成人し、明るいピンクの服など着れなくなった。私がピンクを着ると、何かちょっと、ロリータ趣味の人か、もしくは知的に遅れた風に見えてしまうのである。「パステルカラー似合わない発言」が思い浮かび悔しい。しかしピンクは生活の一部。娘という立場なので、歯ブラシ、皿、箸など、家族の中で持ち物の色はピンクか赤と決まっているのだ。ふん。
長々と語ってしまった。何故そんなにピンクが好きなのか定かではないが、ピンクには生命を感じる。「青だってそうじゃないか」「緑だって」「黄色だって」「ミミズだって」「オケラだって」「アメンボだって」という声が聞こえそうだが、ピンクは生命の誕生を思わせる。あたたかな母の色。生まれたてのヒヨコのくちばしの色。柔らかい赤ん坊の色。小さな呼吸に合わせて動く、透き通るあたたかい色なのである。