20110603 - 七本足のワルツ

夜の10時、大学からの帰りに、本屋に寄った。
恋人から薦められた『自助論』を読むのに大変時間がかかったため、小説や雑誌、漫画や図鑑など以外の「かため」の読み物でも速く読めるようになりたいと思い、速読について書かれたものを探していたのだが、これが思うようなものは無い。こういった速読の実用書の類は一時期流行っていて、探さずとも本屋の棚に平積みされていたような気がするのだが、見当たらない。流行った頃に皆購入したので、もう購入者がいないということなのか。どうなのか。
それで、結局『日本農業の真実』という新書と、谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』（中公文庫）を買って帰った。『陰翳礼讃』が面白く、ずんずんと読み進めている最中である。女性の美(｢恋愛および色情｣)から、大便の話(｢厠のいろいろ｣)まで、おもしろいのである。室生犀星や寺田寅彦の随筆を読んだ時も面白いと感じてワクワクしたので、思うに私はエッセイが好きなのだろう。