六角形の小部屋

昨日、生理痛で苦しみ寝込んでいる中、薬が効いて眠りかけたときに浮かんできたことを文章化してみたのだが、なんとなく、小川洋子の短編「六角形の小部屋」と似ている気がする。「六角形の小部屋」を読んだのはずいぶん前で既にその存在を忘れていたし、正直面白いとも思わず印象にも残っていなかったのに、不思議なこともあるものだ。ただ、さっき読み返してみると小説はもっと複雑で怖くて、私にはよく分からなかったけれども深い暗喩がこめられていそうな雰囲気があった。私に浮かんできたことはもっと激しくてすごく短絡的だ。暗喩も何もない。言いたいこと、思ったこと、感情をなんでもかんでも放出できる場所が欲しい。そういう場所がなくて、そのうちに自分が何なのかすら分からなくなって、行動も感情もなにも説明できない、そんな中で混乱して立ちすくんでいるのだ。まあ、いつでもそんな状況なのだし、そんな場所を持つ人がいるのかも知らないが、それを眠りの淵で意識したので言葉が浮かび、「六角形の小部屋」を思い出したのだろう。

薬指の標本 (新潮文庫)

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